2012年5月15日火曜日

治癒への道: ストレス


 宮地尚子の「トラウマの医療人類学」には、子どものトラウマの半世紀後の影響を疫学調査したFelittiらのACE研究が紹介されている。

  

 ACEとは"The Adverse Childhood Experience"の略で「逆境的小児期体験」のこと。このうちFelittiらは生後18年間の、身体的、心理的、性的虐待の3つの他、5つの家庭機能不全(生育家庭において、服役中の人がいた、母親が暴力をふるわれていた、アルコールや薬物乱用者がいた、慢性的にうつ状態か精神疾患をわずらっていたか自殺の危険のある人がいた、理由は何であれ親を失った)の8つの項目について調査を行い、小児期のトラウマが、大人になってからのさまざまな疾患の罹患やリスク行動と有意な関連性を持っていることを示した。

   

 ACEスコア(ACEの8つの項目のうち経験したものの数)と慢性肺疾患、虚血性心疾患、癌、糖尿病などの身体疾患、運動不足、肥満、喫煙、50人以上との性行為などといった本人の健康に害となるリスク行動、アルコール依存、薬物依存、うつ、自殺企図などが量反応関係をもって連動している。    

   

 ACEの影響は行動や身体レベルに確実に蓄積していく。宮地尚子は「生きづらさを抱えながら大人になり、アルコール依存などの問題を抱えた人間が、自己の生きづらさの原因を生育家庭に求める図式、つまりアダルトチルドレンという概念は、被害者としての大げさな物言いでも、被害妄想でもなく、起きている現象をありのままに伝えていた」と、ACE研究から結論付けて良いのではと述べている。

 

 

2012年5月13日日曜日

Notebook: ロイヤルズ



カンザスシティ・ロイヤルズKansas City Royals、略称:KC)は、アメリカMLB、アメリカンリーグ中地区所属のプロ野球チーム。本拠地はミズーリ州カンザスシティにあるカウフマン・スタジアム。

概要

1969年から拡張球団としてシアトル・パイロッツ(現:ミルウォーキー・ブルワーズ)とともにアメリカンリーグに参入。1年目は地区4位(6チーム中)に沈んだが、3年目となる1971年には勝率5割を達成。8年目の1976年には初の地区優勝を達成。その後、1980年代までは強豪チームの一角としての地位を確保。1976年からの10年間に7回プレーオフに出場、プレーオフを逃した年も全て地区2位か3位(7チーム中)、とほぼ毎年優勝争いに加わった。

その間、1981年に来日し、ジョージ・ブレットの強打で日本のファンにも強い印象を残した。1985年には、セントルイス・カージナルスとのワールドシリーズで、1勝3敗から逆転し、初のワールドチャンピオンに輝いた。パイロッツが1年目から大きくつまずき、1年でミルウォーキーに移転、その後も低迷を続けたのとは対照的に、安定した強さを誇り続けたため「拡張球団の理想」とされた。

ところが、1990年代以降は、チームの象徴的存在であったブレットの引退に足並みを合わせるようにチームは下降線を辿る。かつての栄光は見る影もなく、1996年に球団史上初の最下位に沈み、2002年から2006年までの5年間で4度シーズン100敗を記録するなど、まさに暗黒時代を迎えている。しかし、こうしたチーム事情を逆手にとって、有望な若手選手を育成し、積極的に起用している。ジョニー・デイモン、ジャーメイン・ダイ、カルロス・ベルトランら数々の有名選手がこの球団で飛躍のきっかけを掴み、他球団へと巣立っていった。

球団の歴史

球団創設

1955年から1967年までカンザスシティにはカンザスシティ・アスレチックス(現:オークランド・アスレチックス)が本拠地を構えていたが、1967年のシーズン限りでアスレチックスはオークランドに移転する。1年を挟んだ1969年、MLBの球団拡張に伴ってカンザスシティに新たなチームが創設されることとなった。初代オーナーにはユーイング・カウフマンが就任し、球団名はカンザスシティ・ロイヤルズに決定。本拠地球場はアスレチックスが使用していたのに引き続きミュニシパル・スタジアムとなった。また同年には東西2地区制が導入され、ロイヤルズはアメリカンリーグ西地区に所属することとなった。


管理の重量損失プログラム

クライド·ノリスに連絡する方法

チームの初試合は4月8日、ミネソタ・ツインズを本拠地に迎え、延長12回の末に4対3でサヨナラ勝ちを収めた。なおこの試合では新人のルー・ピネラが5打数4安打の固め打ちの活躍をみせている。また翌4月9日も延長17回までもつれ込み、最終的に4対3で2試合連続のサヨナラ勝ちとなった。しかし、その後は負けが込むようになり、最終的に69勝93敗で地区4位で1年目のシーズンを終えた(逆に開幕2連敗を喫したツインズはこの年に地区優勝を果たしている)。また開幕戦で大活躍だったピネラはシーズンでは打率.282を記録し、新人王に輝いている。